他領で商売していくという事は当時では富山売薬の薬売り特有の事でした、
さらに交通網・情報網の整っていない時代の中、地域外の情報の入手は極めて困難だったのです。
そこで全国を回る薬売りの人々は各地の特産品などを顧客におまけとして持参するようになりました、
特に江戸時代後期に流行になりその中でも喜ばれた物が売薬版画でした、
庶民からすれば領内からでる事はまれで娯楽のない中、こういったおまけは全国の情報を
知らせてくれる物として非常に喜ばれ、また薬売りの話なども情報の担い手となっていたようです。
時代も代わり明治以降になると上得意様には九谷焼(くたにやき)や輪島塗(わじまぬり)
等の焼物などを送り、一般の顧客には絵紙や氷見(ひみ:現富山県氷見市)のぬい針、
ぬり箸・手拭などを送りました。
また大人だけでなく子供向けの物に紙風船がありました、
これは江戸時代後期から明治時代に渡すようになり、現在でも紙風船や風船などのおまけを渡している
薬売りの人さんもいます。